フリーランスとしての独立背景 その2「営業やお金を追いかけるのは無理」

2度にわたる独立未遂(失敗)をしている折田ちなむ氏。今回は2008年から始まる、1回目の失敗談を伺いました。(聞き手:本体、話し手:折田ちなむ)

(本体:以下「本」)
フリーランスとしての独立背景 その1」では、2018年に独立した背景などを伺いましたが、実はその前に2回も独立に失敗していたとか。

(折田:以下「折」)
2回も?えぇ、まあそうですよ。自分、不器用なんで。

逆に三度目の正直を実現するのって、すごくないですか??

本:
解釈は個々人で自由なので。
さて、では時系列で1回目の失敗談をお聞かせいただけますか?

折:
・・・。1回目は、リーマンショック後の2008年~2012年の期間になります。
大学院を出て新卒入社したネット系の会社が、リーマンショックの影響で実質、倒産してしまいました。

結婚をして長男が0歳でしたが無職になり、半年間くらいは家で育児ばかりしてました。

本:
オルタナティビストにも、そんな辛い時期があったんですね。

折:
けれど、気持ち的には全然落ち込んではなかったですけどね。

新聞でしか見たことがなかった「倒産」を身をもって知れたことや、ハローワークに通って失業手当もらう経験とかも、「これが現実か!」と新鮮に感じましたね。

節約のために、ハローワークに行くときも片道1時間てくてく歩いたりしたことを、今思い出しました笑

本:
本題に戻りますが、1回目はどういった形で独立しようとしたのですか?

折:
1回目は、より正確に言うと「会社組織に属しながらも、個人事業主として働く」という形態でした。
具体的には、外資系の企業でフルコミッション(完全成功報酬制)の営業をしていました。

1社目で倒産という憂き目に遭い、会社・組織に依存しない生き方をしたいと思って選びました。

本:
フルコミというと、金融の保険とか、不動産とか、教材とか?

折:
私は金融の保険営業でした。

正直、金融業界も保険という商品にも、そしてフルコミで高額な報酬を得ることにも、ほぼ興味も情熱もありませんでした。

ただ、「週に2時間×2回」しか会社のオフィスに行く必要がなく、あとは自由に動けるという、その働き方の自由度/自立度の高さに魅力を感じた、というのが本音でした。

本:
営業の成績はいかがでしたか?売れている人は億単位の報酬があると聞きますが。

折:
ボコボコでした苦笑

余裕で成績は常に下位20%。最初の2年間である一定の成果を出さないと実質クビみたいな扱いになるのですが、その基準を本当に0.1%オンしてクリアするような、首の皮1枚つなぎ続けた・・・という状況でした。

このあたりの切ない話はきりがないので、この辺で。

本:
では、そのフルコミ営業はどのくらい続けて、どうして辞めたのですか?

折:
約2年半で、ギブアップしました。

その当時は営業の仕事に集中するため、妻子と離れて単身赴任で働いていたのですが、仕事オンリーにしても成果が出ず、気持ちも心もボロボロの30年物のぼろ雑巾状態。

資金的にもこのままだと家賃も滞納しそうなくらい追い詰められていましたし、長男が小学生になる前には家族で一緒に暮らすことや経済面も再建したいなと思って・・・
いやー、ほんとしんどかったですわ。

本:
話の雲行きがますます怪しくなってきたので、最後の質問にしますね。
この1回目の独立、つまり営業のプロを目指してなれなかった経験から学んだことを教えてください。

折:
自分の向き・不向きが痛いほどわかった、ということでしょうか。

たくさんあって、
・営業ができないこと(商品サービスへの愛着がない、営業スタイルが苦手だと壊滅的)
・体育会系の風土やランキング評価に対する強烈なアレルギーがあること
・「お金!名誉!ブランド品!」と強欲になれないこと。
・営業マンという存在が苦手なこと(媚びる、愛想をふりまく、二枚舌・・・)
などでしょうか。

フフッ・・・。成果が出せなかったルサンチマン(怨恨・嫉妬)だと、笑ってください。

本:
営業のプロとして独立する取り組みは、挫折したということですね?

折:
ぐうの音も出ないほど、その通りです。

とても惨めで辛い日々でしたが、スポーツなどと同じで体感しないと本当の意味でわからないこともあると思います。
ので、振り返ると「まあ、経験としてはありかな」と総括しています。

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この記事を書いた人

折田ちなむ (chinamu oruta)のアバター 折田ちなむ (chinamu oruta) オルタナティビスト/人事領域コンサルタント

◆オルタナティビスト:既存の価値観や視点ではなく、「alternative(オルタナティブ)=別の生き方や見方」を探す人。
◆スタンス:「Unique,Ironical,Nature」をモットーに、「それ、みんなもおかしいと思ってない?!」という本音をアンチテーゼとして発信。
◆「折田ちなむ」とは:世に溢れかえる、ありきたりで横並びのSEOコンテンツではない、本音を発信するためのペンネーム(オルタナティブ→おるた)。
◆プロフィール:40代男性/家族(妻、息子2人)/人事領域のフリーランスコンサルタント(人材業界約15年、国家資格キャリアコンサルタント、2018年独立)/東京・神田にオフィス/某国立大学大学院修了/関東在住/人口3万人の海辺の田舎町出身/市民ランナー(サブ3目標)/読書・書評系Podcast運営

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