「かっこいい大人とは何か」を訴えたキャンドル・ジュンさん

芸能ニュースとして扱われる、キャンドル・ジュンさんの会見。ただ、虚心坦懐に動画を観ると、「人はどうあるべきか」「かっこいい大人って何か」を訴えた内容と受け取りました。(聞き手:本体、話し手:折田ちなむ)

(本体:以下「本」)
今回はかなり異色なテーマですね・・・。硬派なオルタナティブな意見の発信を信条とするコラムが、いわゆる芸能ネタを扱って大丈夫ですか?(ちょっとでもPV集めたいとか?)

(折田:以下「折」)
私もそのこと(内容がブレたように映る)は、ちょっと懸念しました。
また、当該ニュースはヤフーニュースで目にしましたが、このコラムで扱うことを視野にいれたことはありませんでした。

正直な話をすると、寝る前にランニング系のYouTubeを観ていたら、会見動画が目に入ってしまって、興味本位でチラ見したんです。どうせくだらない内容だろうし、1分で止めようと。

ところが、ところがですよ。会見冒頭のキャンドル・ジュンさんの入り方が衝撃的で、再生速度は速めましたが、1時間強の会見を全部観ちゃったんです!

【ノーカット】広末涼子さんの夫 キャンドル・ジュンさんが会見「荷物をまとめて家を出ました」(6月18日)| TBS NEWS DIG

本:
どんな会見の始まり方をしたんですか?

折:
会見後の各社報道では否定的に扱われていましたが、キャンドル・ジュンさんが10代後半に何を大事に生きようと考えたかや、核兵器や原発問題に関しての向き合うスタンス(唯一の被爆国であり被爆地での活動もされているので核兵器や原発反対)、憎しみや悲しみをどこかで断ち切らないと戦争が終わらないという信念、などを最初語りだされたんです。

報道各社は、不倫騒動に関する新情報を得たいと思って待ち構えていたので、「何をわけわかんないこと言ってるの?」という反応だったのではないでしょうか。

しかし、私としては「あ、この人はまず自分の価値観や信条をしっかり時間をとって説明されようとしている、筋が通った人だな」と感じ、視聴を続けることにしました。

本:
キャンドルを用いて平和活動などをされているという話は昔ちらっと知りましたが、どういった方なのかは存じ上げず。多くの人がそうなのではないでしょうか?

折:
私も同じなのですが、キャンドル・ジュンさんの独特の風貌に対する、やや否定的な印象だったり、よく言えばアーティステック、悪く言うと変わった人だね、というのが大半の人の印象ではないかと思います。

恥ずかしながら、会見動画を観るまで話し方や肉声を聞いたこともなければ、どういった価値観をお持ちなのか、全く知ろうとしていませんでした。

本:
折田ちなむさんは、オルタナティビスト的な視点でどうお感じになりましたか?

折:
自分の意志と言葉で、本当に思っていることを話す、かっこいい大人だな」と思いました。
会見を行うことになった背景はどうあれ、一人で会見を開く勇気や度量がある人は、政治家や会社経営者含めていないと思います。

具体的な発言を取り上げると、
興味本位の報道をするメディア各社に対して、以下のような内容を真剣に伝えていました。

・「自問自答してほしい。子どものときにどんな仕事をしたかったのか。何を伝えたいと思ったのか。子どものときに、大人の姿や作った社会を見て、何を感じたのか」
・「たくさんの会社がSDGsというけれど、本当にSDGsの意味を解って使っているんですか?」


もちろん、一方的な話じゃないかや、matureじゃない(青臭い)という意見もあると思いますが、私は話をされた内容や、キャンドル・ジュンさんの熱のこもった様子に、心を打たれました。

本当にそうだよな、と。「大人」とか「ビジネス」という言葉に言い訳をして、本質的なことや大事なことをないがしろにしている、私含めた多くの人がいるんだと。

本:
他にはどんな発言や様子に注目しましたか?

折:
冒頭の発言内容に戻りますが、私はこの会見でキャンドル・ジュンさんが言いたかったことは、プライベートなトラブルの説明や自己弁護ではなく、「人としてどう生きるべきか」「何を大事にするか」「かっこいい大人って何か」という、企業経営でいうとMVV(ミッション・ビジョン・バリュー)やパーパスを訴えたのだと思います。

要は、視座や視点が(待ち構えていた報道陣や下世話な情報を欲する人々と)違ったということです。

正論をこんなに真剣に、プライベート・家庭的には心乱れているであろう瞬間に、語っている姿に涙が出ました。すごいなと。

本:
YouTube動画のコメント欄を見ると好意的な書き込みが多い印象です。一方で、会見後の各報道機関の記事やTwitterを見ると、否定的な意見が数多くあったり、「賛否両論あるよね」のようなやや突き放し系の意見が多かったりするように感じが、そこに関してはどう思われますか?

折:
当然、見方は様々なので正解はないと思います。
また、私も一人の父親・夫として家族・妻から指摘されることを加味して考えると、キャンドル・ジュンさんの意見や想いが、家族や関係者にとっては良いとは言えない部分もあると思います。

例えば、夫側からすると「俺は社会のために想いをもって仕事をしている。地方出張の案件も、日帰りで頑張って帰ってきてるし、家庭第一でがんばっている」と思っていても、妻側や子ども側からすると「あなただけ自由に日中動いて、学校の毎日の書類対応、教育や宿題のこと、保護者とのやりとりなど、何もやってないじゃない。それでイクメンぶるなんて勘違い甚だしい」と思っているかもしれません。
※これは私の長男が幼いときの仕事中心だったときの反省を踏まえてのコメント。

ただ、世界中のどこにも完璧な人間はおらず、また誰しも父・夫・ビジネスシーンなどのそれぞれの立場/場面で勘違いや過不足はあると思います。

キャンドル・ジュンさんの想いや意見に100%賛同するとか反対するとかの必要はなく、ただ好奇の目にさらされる中で、堂々とメディアの前に姿を出し、自分の生きる心情を自分の言葉で真摯に語る、そのことがかっこいいなとシンプルに思います。まさにネイチャーな在り方だなと。

本:
図らずも聞き入り、考えてしまいました。解釈の仕方次第ではあるとは言え、どれだけ自分たちが表層的な情報で物事を評価判断したり、意見したりしているか、ということを。

折:
この件に関していっても、私も同じですよ。キャンドル・ジュンさんに対して、見た目やニュース記事から軽い偏見があったので。
そして、いまこの瞬間も同様の偏った評価判断をしてしまっているのかもしれません。

ただ、かといって「みんな違って、みんないい」「大事なのはバランスだよ」「総論賛成・各論反対」のような玉虫色の毒にも薬にもならぬ発言ばかりをしているのも、ずるいと思います。

常に他の見方や意見があることは意識しつつも、とはいえ「私はこう思う」とキャンドル・ジュンさんのように強く言い切ることが大事だと思います。

そちらの方が、かっこよくて心を打ちませんか?みなさんはどうでしょうか。
「芸能ネタなんて、観る価値ないよ」と思わずに、キャンドル・ジュンさんの会見をご覧ください。

この今の世の中で、とっても稀有なネイチャーな人が存在することに驚かされると思います。

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この記事を書いた人

折田ちなむ (chinamu oruta)のアバター 折田ちなむ (chinamu oruta) オルタナティビスト/人事領域コンサルタント

◆オルタナティビスト:既存の価値観や視点ではなく、「alternative(オルタナティブ)=別の生き方や見方」を探す人。
◆スタンス:「Unique,Ironical,Nature」をモットーに、「それ、みんなもおかしいと思ってない?!」という本音をアンチテーゼとして発信。
◆「折田ちなむ」とは:世に溢れかえる、ありきたりで横並びのSEOコンテンツではない、本音を発信するためのペンネーム(オルタナティブ→おるた)。
◆プロフィール:40代男性/家族(妻、息子2人)/人事領域のフリーランスコンサルタント(人材業界約15年、国家資格キャリアコンサルタント、2018年独立)/東京・神田にオフィス/某国立大学大学院修了/関東在住/人口3万人の海辺の田舎町出身/市民ランナー(サブ3目標)/読書・書評系Podcast運営

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